2025年度理事長 鐵 晃次郎
誇りとは、思いやりと感謝の溢れる「心の在り方」
誇りとは、自らを律し誰かのために行動する「決意」の表れ
誇り高き「ひと」を育み 誇りある「行動」が未来をつくる
昨今、私たちを取り巻く社会は年々大きく変化し、これまでの常識から世の中の価値観や人々のライフスタイルも目まぐるしく変化を遂げている、まさに千変万化の時代。
「少子高齢化」や「子どもの貧困」など多くの様々な社会課題が点在するなか、情報技術が高度に発展し人々の生活は豊かになった一方で、ストレス・不安・孤独、虐待・いじめなど「こころ」に起因する社会問題はますます深刻化しています。自らの命の価値、命の尊さを見失ってしまう人々は全国的に年間約 2 万人を超えており、IT と人が共存し、多様性や表現の自由が正義とされる現代社会において「心の豊かさ」は人々の行動や言動、生き方そして社会に大きな影響を及ぼしています。
この西入間地域においても人口減少や核家族化により地域と関わるコミュニティーの減少から人と人とのつながりは希薄化しています。それにより人を想う心、自らが住み育ったまちへの関心や愛着も低下し、とくに若者の地域活動への参画意識は衰退をたどっております。
今後のデジタル社会の発展において永続的に大切にしていくべきこと、それは「心の豊かさ」の醸成であり、人としての豊かな人間性を育むことにあります。それはまさに歴史や伝統、生命や人権を尊ぶ心、受けてきた恩や温かみへの感謝や人を思いやる心、自然や美しいものに感動する心、正義感や公正さを重んじる心であり、そんな心の醸成のために必要なもの、それは「誇り」です。
私が定義する「誇り」とは「志」を「体現」し、自らを、組織を、地域を大切に思うことです。 決して利己的な「野望」ではなく、互いに認め合い関わり合うことで生まれ、誰かのために行動できる豊かな「心」です。過去を尊ぶことで今をより意義あるものに深め、心からの思いやりと感謝をもち、自らを律し人やまちの未来のために行動する決意ある人財を育むために「誇り」が必要なのです。その一人ひとりの誇りある行動、姿勢、取り組みの積み重ねこそが、人やまちの未来をつくる運動の根幹であり、必ず明るい豊かな社会の実現に繋がっていくと確信しています。
そこで2025 年度公益社団法人西入間青年会議所では、基本理念に「誇り」を掲げ、「誰もが誇りを抱き、思いやりと感謝の溢れる西入間の創造」を目指してまいります。
2024年度は、西入間地域の若者と共につくるまちづくり運動を実践してまいりました。今後もまちの活性化には、若い力が必要です。次世代を担う若者たちにこのまちに誇りを持ってほしい、自分たちがこのまちをより良くしていると誇ってほしい、そしてそんな自分を誇らしく思ってほしい。本年度は若者と地域、JC による強固な連携から運動をともに実践し、成功体験を積むことで人やまちに「誇り」を醸成する運動を展開してまいります。
そして当会は現状、入会の浅いメンバーが過半数で組織は若年化が進み、新たな価値観が拡充されていく一方で、これまで紡がれてきた気風高き青年としての志や情熱は薄れつつあります。2026年度、創立 45 周年を迎えるにあたり今改めて自らに問いかける必要があります。私たちは日々の生活、行動や言動、その一つひとつに「誇り」を持てているか。何のために、誰のために JC 運動をしているのか。
そして、その選択をした自分自身を誇れているのか。メンバーの誰もが何かのために、何かを我慢して、何かを犠牲にして、何かを置いて JC 運動に励んでいます。だからこそ誇り、誇られる人間になるべきなのです。そして今一度これまで受け継がれてきた歴史や伝統、文化を重んじ、そして今があることに感謝し、それを次世代に繋いでいく先導者となるべく誇り高き JAYCEE を育んでまいります。
人は誰しもが小さく光を放つおぼろげに抱いている志と信念があります。それを見つけることさえできればいつの間にか誇れる自分、人やまちから必要とされる自分がそこにいるはずです。誇りが人の心を豊かにし、一人ひとりが利他を考え行動することで思いやりと感謝が溢れる豊かなまちになっていく。まちに貢献し続ける心豊かな誇り高き人財を育成し、思いやりと感謝の溢れる西入間の創造のため一年間ともに歩んでまいりましょう。