2023年度理事長 山田 一希

ダイヤモンドがダイヤモンドでしか磨けないように、
人も自分を磨き輝かせるのは自分自身でしかない。
だけれども、自分の人生をもっと輝かせるのは、
誰かと共に磨き合い、また共に成長の喜びを分かち合うことだと思う。

だからそれが出来る仲間の存在は尊く、有り難いのだ。

私はそんな仲間を作りたいし、
仲間を輝かせることの出来る私でありたい。

 私は2015年に西入間青年会議所に入会し、今日まで仲間たちや先輩から多くの経験と学びを与えてもらいました。
入会当初は青年会議所という組織も理解せず、活動内容も分からない状態で、ましてや地域の事など考えてもいませんでした。
初めて理事を経験した時は、事業構築の難しさを思い知り、自分の要領の悪さから周りのことを気にする余裕もなく、仕事・家庭・JCの両立に苦労する中でJCを好きになれず苦しかった事を今でも鮮明に覚えています。

 しかしそんな時、私に手を差し伸べ、支えてくれたのが仲間であり、先輩でした。
議案作成に夜遅くまで付き合っていただき、事業構築の時には、私が何をしたいのか真剣に聞き出そうとしてくれました。
それを実現するためにどうすれば良いのかを共に考えてくれました。
時には主張がぶつかり合い、落ち込むこともありましたが、いつだって最後は私をあるべき方向へと力強く導いていただき、結果自分自身が成長していくことを実感できたのでした。
こういった支えがなければ今の私は100%いません。
この感謝の気持ちと恩を生涯忘れることはありません。
どんなに出来なくても諦めず本気でやっていれば、周りの仲間が応援してくれる。
苦しい時、周りを見渡せば必ず支えてくれる仲間がいる。
そんな仲間との時間が成長の糧であり、その存在が人生の宝なのです。
この経験から今度は私が周りの誰かを輝かせられる存在になりたいと強く思うようになりました。
そしてこのプラスの連鎖を次代に伝えていくことで、これまで支えてくださった方々への本当の恩返しとなり、この恩送りの精神こそが青年会議所の神髄であると確信しています。

 だから私はメンバー1人ひとりが輝き合える西入間青年会議所を作っていきたい。
輝き合うとは、磨き合い、共に喜びを分かち合うことです。
私たちは、まちづくり運動の中で自問自答や調査研究、議論を繰り返し、仲間とまちの未来を語り合い、様々な事業を共に展開していきます。
時に意見の相違や価値観の違いで衝突することもあるでしょう。
けれどメンバー同士が本気で向き合い、また互いを思いやり、支え合いながら切磋琢磨することで、1歩先の自分へと成長します。
そして、みな自分の立場や置かれている状況が違う中で、主体変容のリーダーシップ精神。仲間のために何が出来るのかというフォロワーシップ精神が大切で、その連鎖がお互いを成長させ輝かせることに繋がります。
そんな仲間との経験から得られる多くの学びがこの青年会議所の価値です。
だからこそ、その経験が得られるようにインパクトのある事業を構築し、委員会が楽しく盛り上がる事が必要になります。
そうすることでメンバーが輝く西入間青年会議所となり、そんなJCは、魅力があり地域にとって価値のある団体となるのです。

 西入間青年会議所では、40周年で未来ビジョン「つなげるまち西入間2031」を策定しました。
この「つなげるまち西入間」とは、地域内の人やモノ、団体や文化、産業や自然など様々な資源が有機的に繋がり、より高い資産へと昇華していること。子どもたちが我がまちを愛し、次代の担い手へと育つこと。
まちの強みを活かし交流人口が増え、産業や人が活性化していること。
こんな、未来へと繋がり続けるまちのことを意味しております。

 しかし、現状はどうでしょうか。
西入間地域には様々な魅力ある資源がありますが、有機的に結びついておらず、地域資産とは言い難い状況です。
また新型コロナウイルスによって直接的な繋がりが分断されており、それに拍車を掛けております。
それは子どもたちの生活環境も同様で、これまで出来ていた体験活動がなくなり地域との繋がりも少なくなっていることで学びの機会損失や郷土愛の醸成にも悪影響を及ぼしています。
さらに地震や大雨による災害が近年多発しており、これらも地域の繋がりが希薄化していることで、共助の力が働きづらくなる課題を抱えています。

 そこで2023年度は、地域内の様々な繋がりを強固にする運動を展開して参ります。
まずは近年多発する自然災害に対して、共助の力を高めるために西入間地域内の防災協定の締結と継続的な繋がりを目指して参ります。
これにより有事の際、発災後の初動態勢や災害ボランティア活動の支援体制など、地域内の連携による共助体制の確立と、人と人、人と地域とが関わる機会の創出により地域の繋がりが強固となり、地域の安心安全なまちづくりに寄与します。

 次に、地域で子どもたちに関心を持つ大人を増やす運動を展開していきます。
未来の地域を輝かせてくれるのは、今を生きる子どもたちです。かつての子どもたちは地域の大人との触れ合いを通して、子どもは多様な体験や価値観に触れ、親以外の大人から褒められ、そして叱られることもあり、その関わりから様々な事を学んできました。
子どもの健全な成長のために地域の大人たちが積極的に子どもたちに関わり、顔の見える関係から子どもたちが安心・安全で暮らせる社会の実現へ向けて運動を展開して参ります。

 さらに私たちJCメンバーは各団体を繋ぎ、地域のハブ役となるためのリーダーシップ研修に取り組んで参ります。
各団体の強みや弱みを理解して、地域の資源を有機的に結びつける事は簡単な事ではありませんが、これを成すことこそ青年会議所の役割であります。
各団体の様々な意見をまとめ上げ、高いコミュニケーション能力や信頼関係を構築し、地域の未来を創造するリーダーシップを養って参ります。

 今年度はこれらの運動により、地域の人と人との繋がりや関係性を強固にして安心安全な地域づくりに貢献し、人が輝き合う西入間を創り上げて参ります。

 見返りを求めずに地域の活性化、奉仕を行う団体がこの青年会議所です。
私たちはまちづくり運動という難問に挑戦するために個々の修練や自己成長、その中で苦楽を共にし、友情を得て、そして初めて社会への無償の奉仕ができると思います。
これは必ずしも楽しくて、良い事ばかりではありません。
ですが、周りには支えてくれる仲間が必ずいます。
自分一人で抱え込まず周りの仲間を頼り、そして共に前進し、お互いを磨き合うことが青年会議所の価値です。
仲間を信じて、みんなと共に全力で歩んで参りましょう。